12月5日 沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会で質問

前日の外交防衛委員会に引き続き、沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会でも北方領土問題・北極海航路の可能性について質問をしました。戦後80年が経過し、元島民の皆様などからも、北方領土返還運動に対して疲れや閉塞感が聞かれます。たしかに、現在の日露関係は、ロシアのウクライナ侵略もあり墓参も中断するなど、国と国との交流は停滞しております。他方で、北方領土のウニが根室の花咲港に持ち込まれており、その金額は昨年度88億円にもなりました。この売上でロシア側は日本の日用品を購入する実態があり、北方領土のロシア人も日本が無ければ生活ができません。

令和4年に発生した知床遊覧船事故では、国後島に漂着したご遺体の情報がビザなし交流に参加されたロシア人から日本側にもたらされました。これらの事実は、北方領土の返還運動、ビザなし交流などの「人と人」との交流が継続してきたからこそであります。今後の北方領土問題を考えるときに、まずはお互いの人的交流の積み重ねの成果を踏まえた取組、日本の海であることから日本人が漁業できる体制作りが必要です。

また、中東情勢が不透明であることから、スエズ運河の通航も不安定な状況です。もし北極海航路の活用ができれば、アジアと欧州の海運について時間もコストも2/3になります。現在の国際情勢で困難な面があったとしても、常に研究を継続し続ける戦略的な対応が求めれられます。

この記事を書いた人

山田 ヨシヒコ

学習院大学経済学部を卒業後、東洋信託銀行㈱にて都市開発および債券トレーディングを担当。
その後、財団法人日本船舶振興会に勤務し、海洋問題や造船技術開発を担当。2009年に東海大学教授に就任し、2019年から2023年まで、東海大学学長補佐・静岡キャンパス長を務める。国土交通省や東京都をはじめ、各機関において政策アドバイザーを歴任。